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じんましん

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じんましん

じんましんは蚊に刺されたような,境界がはっきりした赤い平らな盛り上がりで,中央部が消えて輪状になって広がることもあります.1日以内にその場所は自然に消えます.ほかの場所にも出て,ご本人としては出っぱなしと感じられるかもしれません.ペンなどでマーキングしておくと,消えていくのが確認できます.1日以内に消えるというのが,じんましんと診断する上で最も大切な点です.スマホで写真を取ってこられる方が増えてきて,診断に大変役立ちます.

1日以上同じ場所に持続する場合は,通常のじんましんではなく,多形慢性痒疹,蕁麻疹様紅斑,多形紅斑,薬疹,膠原病など多くの疾患を考えて鑑別する必要があります.

実は原因がはっきりしたじんましんはとても少ないのです。実際95%以上は「特発性じんましん」という原因が特定できない慢性的なじんましんです。食べ物、飲んでいるお薬、感染症,寒暖・光線の影響などをていねいにお聴きしても、特別関係しそうな原因が見つからない場合、いわゆるアレルギー検査をしても無駄なことが多いのです。ただし,光ものの魚やイカを食べた後に生じた蕁麻疹では,それらに寄生するアニサキスによるものが意外と多く,確認する必要があります.

原因不明の特発性じんましんは、きちんと抗ヒスタミン薬を内服することで、ほぼ抑えることができます。最近は抗ヒスタミン薬が効果不十分なときは、他の薬に変えるのではなく、内服量を増量することで効果が得られることがわかってきました。一定量の抗ヒスタミン薬を継続して内服していないと、すぐに再発する患者さんも時におられますが、大多数のじんましんは、「出なくてもしっかり2週間内服」することで、その後は出なくなります。抗ヒスタミン薬は「予防薬」と考えて,一定期間続けることが大切です.当院では日本皮膚科学会「蕁麻疹診療ガイドライン」に則って、治療方針をわかりやすくご説明します。

最近,新しい抗ヒスタミン薬も登場し,1日1回内服で,効果があり,眠気がないタイプが増えていますので,これまでの治療をお聞きした上で,状況にあった適切な抗ヒスタミン薬を処方します.

極めて難治な特発性じんましん(慢性じんましん)の治療薬として,抗IgEモノクローナル抗体製剤のオマリズマブ(ゾレア®)という注射薬が最近よく使われるようになりました.1回2本両腕に皮下注射します.3割負担で1回2本で18,000円と高価ですが,抗ヒスタミン薬内服を併用してよい効果が得られます.

YouTube#41#42でより詳しく解説しています.

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