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いぼ(尋常性疣贅 じんじょうせいゆうぜい)

尋常性疣贅

尋常性疣贅

ヒト乳頭腫ウイルスが原因で、足の裏や指に表面が凸凹した硬いでっぱりができます.角質が突出して痛む,ウオノメやタコと似ていますが,ダーモスコープで観察すると,点々とした血管が見られ,診断できます.ウオノメ,タコと合併することもあります.子どもに多い病気ですが、大人もかかります。

角層のわずかな傷からウイルスが入り込み,皮膚の細胞のDNAにウイルスDNAが組み込まれて皮膚が異常増殖します.

治療は-196℃の液体窒素を綿棒でたらして皮膚ごと凍らせ破壊します。1-2週間に1回根気よく治療します。時に血豆ができ,黒いかさぶたになりますが,それ位強く行う方が効果的です.3週間以上間をあけると,また増殖して元に戻りますので,継続して治療する必要があります.局所麻酔なしの治療です.かなりしみる感じの痛みを伴いますが,(つ)よい子?は耐えられます.

治療終了の判定はかなり難しいのですが,指で触ってつるっとしている,指紋の乱れがない,ダーモスコープで点状の血管が見られないなどで総合的に判断します.1-2か月無治療で経過を見て再発がなければ良しとします.

切除やレーザー治療は術後の痛みが強いため行ってはおりません.

いぼの治療は昔からおまじないが有効との言い伝えがあり,民間療法や全国各地にいぼとり地蔵があります(いぼとり神様・仏様の全国リスト).私たちも毎回心を込めて治療します.

治りにくい場合や液体窒素治療に堪えられない場合は,ハトムギが主成分のヨクイニンという薬を根気よく飲みます.現代の基準から見て有効であるとの確たる証拠はない治療ですが,昔から伝統的に行われております.いぼとり地蔵と同じく心理的効果なのかもしれません.

乳頭腫ウイルスが陰部に感染すると,皮膚では径2-3mmで黒くて平らに盛り上がったブツブツや,粘膜ではイソギンチャクのような形のブツブツができ,尖圭コンジローマとよばれます.性感染症のひとつで,悪性型の乳頭腫ウイルスが感染した場合,子宮頚癌や皮膚癌に進展する可能性のあるボーエン様丘疹症の原因となりますので,男女とも放置せず早目に治療を受けるのが大切です.イミキモドという塗り薬で免疫力を高めて治しますが,液体窒素による凍結療法,炭酸ガスレーザー治療も有効です.

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