メニュー

1杯目 アトピー性皮膚炎はひとつの病気だろうか?

現在、アトピー性皮膚炎の診断は、(1)そう痒、(2)特徴的皮疹と分布、(3)慢性・反復性経過、という日本皮膚科学会の診断基準で行われています。国際的にもほぼ似たような診断基準が使われています。しかし、実際、赤ちゃんの患者さんと大人の患者さんが、同じメカニズムで病気が起こっているのか、疑問に思うことが多いことも事実です。

  「アトピー」とは、先天的に過敏症になりやすい体質のことです。1933年にニューヨーク大学のSulzberger先生は、それまでいろいろな病名で呼ばれていた体質的な湿疹をまとめて、アトピー性皮膚炎という病名で呼ぶことを提唱しました。1965年、そのSulzberger先生が、我が慈恵医大で開催された学会に来られました。

  その頃は、患者供覧(学会場に患者さん来ていただき、皆で症状を見て討論するしくみ)がありました。日本の皮膚科医が症状で細かく分類した診断名で患者さんを紹介しても、彼はことごとく「これはアトピー性皮膚炎である」と診断し、皆唖然としたという話を聞いたことがあります。つまり、見た目はいろいろだけれども、元は同じ、という考え方です。

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME