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4杯目 参加者からのお手紙 (ご本人の許可を得て,お名前を消して原文をそのまま掲載しております)

”アトピーカフェに参加して”

 1月14日のアトピーカフェに参加した●●と申します。3時間のお話がとても短く感じ、大変勉強になりました。先生のお話をメモしつつ私の治療体験をまとめたものを添付させていただきましたので、お時間あるときにお読みいただけると幸いです。 
 最後に女性の方から、体の洗い方を教えていただいたことも感謝しております。今は、お風呂に入ったときに手で泡だてることを楽しみながらやっています。 
 アトピーカフェは本当にアットホームな感じで良かったです。どうもありがとうございました。 

 “脱ステ”
 “脱ステ”について「昔は、ステロイドを医師が過剰に使っていた時代があったので、医療者側から脱ステが始まった。しかし、マスコミが脱ステを煽ったため、ステロイドは良くないという考えが広がった。」とのこと。“脱ステ”の意味を勘違いしていたことに気付く。 

 ”薬の副作用”
 ステロイドの副作用は、皮膚が薄くなること。また最近ではステロイドではないプロトピックという薬も使用されている。その副作用として、ヘルペスやにきびが出来ることがあるそうだ。ネットで調べると、「プロトピックは、その主成分はタクロリムスという成分で、臓器移植患者への免疫抑制剤としても用いられている。・・・中略・・・タクロリムスという成分は正常な細胞の活動には作用せず、主に強い免疫反応を示すT細胞と呼ばれる細胞の働きだけを阻害することによって、アレルギー症状を強力に押さえ込むという作用があり、免疫を抑制するので、 皮膚ガンのリスクが高まる可能性が指摘されている。」
 以前、医師から顔に塗るプロトピックを処方されたことがある。怖い薬だと思ったが、医師から使用上の注意の説明を受けて納得した上で、顔の湿疹部位に薬を塗っていた。 

  ”湿疹の種類”
 湿疹には2種類ある。一つ目は、急性湿疹。これは皮膚のバリア機能が壊れていて湿疹がじゅくじゅくしている状態で、もうひとつは慢性湿疹。皮がごわごわした厚い状態の湿疹で、治すのに時間がかかるとのこと。私の場合は前者の急性湿疹で、いつも患部がじゅくじゅくしていた。手と顔を中心に体液が出ていたひどい時期があり、職場で綿の手袋を使用していたことがある。 

”掻くことをやめる” 
 「掻く・こする・つねる・さする」ことで、かゆみが増し、さらに掻くという悪循環を引き起こしてしまう。かゆみが鎮静化しても掻く習慣がつき、不安・ストレスを感じたときに無意識に掻くため、症状の悪化を招いたり、長引かせてしまうことがあるそうだ。掻く行動をやめるための手段として、かゆみ日記をつけると良いとのこと。どんな状況のときに、どこを掻いたのかを記すことで自分が気付いていない掻破行動を知り、掻くことを最小限の回数にとどめることができる。また、掻く場所を決めて、それ以外は手を出さないようにする方法もある。早速かゆみ日記を実践してみたところ、なんともない時でさえ掻いていることが分かった。 

”私の治療体験~症状をコントロールできるまで” 
 周囲の人からステロイドは良くないと言い聞かされていたこと、依存症の心配、そして薬剤師から「強い薬なので薄く塗ってください。」と言われたことがあったため、ステロイドに対する恐怖を感じてこれまで医師の指示通りに薬を使ったことがなかった。また大量に出される薬に嫌気がさして処方箋を薬局に持っていかなかったこともある。薬の塗る量(1FTU=指先から第一関節まで出した薬の量が手のひら2枚分の面積に相当する)は医師から教えてもらったことがあるが、これを実践すると、薬漬けになった気分になり、薄く塗るのが精一杯だった。
  医師から、「入院させるぞ」「あなたは15年治らない」と言われてうんざりしたことがきっかけで薬に頼らずに治してみようと、無害と思われるものを試みた時期がある。具体的には、竹酢液、塩風呂、酵素風呂など。当時デトックスという言葉が流行っており、悪化=好転反応だと勝手に思っていた。しかし、人前にも出たくない、お風呂に入りたくない、いろいろなものを疑うようになる、食事を最小限にとどめる、気づけば親に「かゆい」ばかり言って心配をかけるなど、日常生活を送る上では支障をきたしていた。また民間療法はお金がかかる割に効果がなかった。
 そこで薬を再開するしかなかった。次の診察までに処方された薬を使いきらなければいけないものの、ステロイドに対する抵抗があったため、少量の薬を塗り続けた。「継続は力なり」が効いたのだろうか。毎日仕事から帰宅してから出る痒みがなくなり、掻破行動が減って症状が良くなっていった。時の流れが解決してくれた面もある。
 社会人2~3年目に症状が最もひどく、仕事に慣れて人間的に多少図々しくなってから症状が改善していった気がする。今日の先生のお話を聞いて、ステロイドを塗ることで皮膚がしっとりすること、その後、炎症が治まったらステロイドを使わずに、保湿のみで良い状態が保てることが分かった。幸いなことに、私の湿疹の状態が急性(自己判断)だったこともあり、薬が少量でも塗り続けることで炎症が治まり、湿疹が改善したのかもしれない。今でもステロイドは使っているが、ひどかったときに比べてかゆくなる箇所が少なくなって薬の量が減り、ある程度自分でコントロールできるようになった。 

”ストレスについて”
 「親や周囲の人の仕事やステータスが社会の基準になっている」という先生の言葉が引っかかった。その基準をクリアしようと頑張ることがストレスにつながるそうだ。したがって頑張りすぎないことが大切である。 

”まとめ”
 どんな手段であれ、症状を改善していくには、根気と努力が必要だ。社会人になってから水虫になった父親が今でも水虫の薬を毎日塗り続けている姿をみて、私の湿疹も完治を目標とせずに、湿疹とうまく付き合っていくことが大切であると感じた。

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